小麦でん粉の特徴

小麦でん粉の特徴

小麦でん粉は、他のでん粉に見られない多くの特徴を持っています。
その特徴を活かし、食品製造業、繊維工業、製紙工業、その他の分野にわたり広範囲に使用されています。

小麦でん粉の粒度分布

小麦でん粉の粒度分布(りゅうどぶんぷ)は、1~40㎛と比較的広範囲にわたり、大きくは『大粒子』と『小粒子』の2つに分けられます。
この粒度分布は他のでん粉には見られないものであり、粒子の比重差を利用し、区分することが可能になります。
「長田産業」では、ユーザー様の要望にきちんとお応えするために、小麦でん粉をさらに細かく区分し、様々な用途に適した幅広いラインナップを取り揃えております。

  小麦 タピオカ コーン 馬鈴薯
粒度分布 1~40㎛ 4~35㎛ 3~26㎛ 5~100㎛
粒度平均 10㎛ 20㎛ 15㎛ 30㎛

小麦でん粉のアミログラム(粘度曲線)

でん粉粒は水の中で加熱すると、吸水し膨潤します。さらに加熱を続けると、粒が崩壊し分散していきます。
この一連の過程をでん粉の糊化現象と呼び、その粘度特性をわかりやすく表したものがアミログラムです。
小麦でん粉は、数あるでん粉種の中でも膨潤しにくいでん粉に分類され、さらに加熱による粒の崩壊が起こりにくいとされています。その特性により、優れた粘度安定性を示すほか、再結晶化による離水が抑制されるため、ソフトな食感の維持が可能となります

小麦でん粉

※長田産業㈱分析例

品名 内容量 荷姿 白度


[%]


[%]
水分 [%] 表示
宝船 25kg・20kg クラフト紙
96.0 0.20 0.15 13.0 小麦澱粉または澱粉(小麦)
浮粉 25kg・20kg 95.5 0.25 0.18
丸食 25kg・20kg 94.0 0.30 0.20
特等 25kg・20kg 93.0 0.33 0.22
丸特 25kg 90.0 0.51 0.25
壱等 25kg 78.0 0.87 0.56

α(アルファー)化小麦でん粉

でん粉は通常、冷水では溶解せず、乳液状に分散懸濁しているだけで、しばらく放置すれば沈殿し、粘性もなくなります。
このようなでん粉の状態をβ(ベーター)でん粉と呼びます。 
βでん粉の水懸濁液を加熱したり、アルカリ性にしたり、塩類を加えたりすると、でん粉粒子は膨潤を始め、粒子が崩壊し、粘性を持った透明または半透明のでん粉糊液になります。
このような糊液の状態をα化と呼びます。α化小麦でん粉とは、小麦でん粉をα化(糊化)し、瞬時に乾燥・粉砕・分級したもので、水に速やかに溶解し、粘ちょう性の高い糊液となります。
小麦でん粉は元来、粘度の経時変化が小さく、老化の遅い、極めて安定な粘性を有しており、α化させることにより、この特性がさらに顕著になります。

※長田産業㈱分析例

品名

荷姿


[%]


[%]


[%]
特徴
NPアルファーK 20kg クラフト紙 0.35 0.25 8.0
製菓・製パン用途における 食感改良目的の他、トロミ付け、 水分調整、粘度調整等に適しています。
NPアルファーRM 0.35 0.25 8.0
アルファーC2 0.30 0.20 8.0 耐老化性に優れ、食感の経時変化を抑制します。

物理加工小麦でん粉

小麦でん粉に物理的な特殊加工を施し、吸水性を高めたものが物理加工小麦でん粉です。加水量を増やせるため、採れる量(歩留まり)向上・食感改良につながります。

※長田産業㈱分析例

品名

荷姿


[%]


[%]


[%]
特徴
GU-8 20kg ダンボール
(内袋に PE使用)
0.25 0.18 13.0 パン、畜産加工品・水産練り製品・厚焼き玉子、バッター等に適しています。 水溶きによる沈降は遅く、再懸濁も容易です。
GT-4 0.30 0.22 13.0
洋菓子に適した特性を持ち、小麦粉と2割程度置換することで今までにないソフトな食感を実現できます。適度な粘度を有し経時劣化による粘度減少も少ないためバッター調整剤としても適しています。
GU-8HT 1.40 0.20 13.0 透明餃子用の特製ミックス粉です。ラード等と混ぜるだけで透明餃子の皮が簡単にできます。